DTMの始め方!必要機材と学習方法

音楽制作に興味があるけど、楽器が弾けない、レコーディングスタジオに行くのは面倒、そんな悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのが、DTMです。

DTMとは、Desk Top Music(デスクトップミュージック)の略で、パソコンやスマホを使って音楽を作ることを指します。DTMなら、自宅で気軽に音楽制作ができますし、楽器が演奏できなくても打ち込みやサンプル音源を使って曲を作ることができます。

しかし、DTMを始めるにはどうすればいいのでしょうか。どんな機材やソフトが必要なのか、どんな練習法が効果的なのか、初心者にとってはわからないことだらけです。

そこで今回は、DTMの始め方について解説します。DTMに必要な機材の選び方、DTMを上達させるための検索法などを紹介します。この記事を読んで、あなたもDTMで音楽制作の楽しさを味わってみましょう!

DTMに必要な機材やソフトの選び方

まずは、DTMに必要な機材やソフトについて見ていきましょう。DTMに必要なものは大きく分けて以下の3種類です。

  • パソコンやスマホなどのデバイス
  • DAW(デジタルオーディオワークステーション)と呼ばれる音楽制作ソフト
  • オーディオインターフェースやマイク、ヘッドホン、MIDIキーボードなどの周辺機器

それぞれの役割や選び方について詳しく見ていきましょう。

パソコンやスマホなどのデバイス

DTMをするためには、DAWと呼ばれる音楽制作ソフトを動かすためのデバイスが必要です。デバイスとは、パソコンやスマホ、タブレットなどのことです。

パソコンやスマホは、多くの人がすでに持っているものですから、特別に購入する必要はありません。しかし、DAWを快適に動かすためには、デバイスの性能も重要です。

一般的には、パソコンのほうがスマホよりも性能が高く、より細かく作り込めます。また、パソコンではWindowsとMacがありますが、どちらでもDTMは可能です。ただし、DAWによってはWindowsやMacしか対応していないものもあるので注意してください。

パソコンを購入する場合は、以下のような性能を目安にしてください。

  • CPU:Core i7以上またはM1 PRO以上
  • メモリ:16GB以上
  • SSD:256GB以上
  • OS:Windows 10以上またはMac OS X 10.12以上

なお、本ブログではパソコンの選定に慣れていない人に対して、中古品とWindowsのノートPCはおすすめしません。
本格的な編集をする際に充分な性能でない場合があるからです。

スマホやタブレットでもDTMはできますが、パソコンに比べると性能や機能が限られています。しかし、気軽に始めたいという人や、外出先で作業したいという人には便利です。
外ではスマホやタブレットを使用し、本格的な編集はパソコンで行う、という人も多いです。

DAW(デジタルオーディオワークステーション)と呼ばれる音楽制作ソフト

DTMに必要なものの中で最も重要なのが、DAWと呼ばれる音楽制作ソフトです。DAWとは、Digital Audio Workstation(デジタルオーディオワークステーション)の略で、パソコンやスマホで音楽を作るためのソフトのことです。

DAWにはさまざまな種類がありますが、基本的には以下のような機能を持っています。

  • 打ち込み機能:キーボードやマウスでメロディやリズムを入力する機能
  • 録音機能:マイクや楽器を接続して音声を録音する機能
  • 編集機能:録音した音声や打ち込んだ音を切ったり貼ったりする機能
  • ミックス機能:録音した音声や打ち込んだ音の音量やバランス、エフェクトなどを調整する機能
  • マスタリング機能:ミックスした曲の全体的な音質や圧縮率などを調整する機能

DAWは、どれも基本的には同じことができますが、それぞれに特徴や得意なジャンルがあります。例えば、以下のような違いがあります。

  • Ableton Live:ライブパフォーマンスに向いており、EDMやテクノなどの電子音楽に強い
  • Cubase:打ち込みや編集がしやすく、ポップスやロックなどのバンドサウンドに強い
  • Logic Pro X:Mac専用であり、GarageBandと互換性がある。Apple Loopsというサンプル音源が豊富で、さまざまなジャンルに対応できる
  • FL Studio:インターフェースが直感的であり、初心者でも使いやすい。ヒップホップやR&Bなどのビートメイキングに強い

DAWを選ぶときは、自分が作りたいジャンルや使用感に合わせて選ぶようにしましょう。また、価格も重要なポイントです。DAWには無料のものから有料のものまでありますが、無料のものは機能が限られていたり、保存や書き出しができなかったりする場合があります。有料のものは高価ですが、より本格的に音楽制作をすることができます。

オーディオインターフェースなどの周辺機器

オーディオインターフェース

音の入出力に関して、オーディオインターフェースという機器があると便利です。

ほとんどのパソコンにはイヤホンマイク端子がありますが、録音と再生を別々の機器にできないですし、直接ギターをつないでも音が痩せてしまいます。
オーディオインターフェースの主な機能は、マイクや楽器などと接続してパソコンに入力すること、スピーカーやヘッドホンなどにつないで出力することの2つです。
ボリューム操作も機器のつまみで行えるので、音楽制作には欠かせない機器と言っていいでしょう。

選ぶポイントとしては、以下のような部分をチェックしましょう。

  • パソコンとの接続方法
    オーディオインターフェイスは、USBやThunderboltなどの規格でパソコンに接続します。パソコン側の端子とオーディオインターフェイス側の端子が一致しているか確認しましょう。
  • 入出力端子の種類と数
    オーディオインターフェイスには、フォン端子やキャノン端子などの入出力端子が搭載されています。これらの端子は、マイクや楽器、スピーカーやヘッドホンなどを接続するために使用します。自分が使いたい機器とオーディオインターフェイスの端子が一致しているか確認しましょう。また、同時に入力・出力できる音声数も製品ごとに異なるので、自分の制作スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
  • 機能
    オーディオインターフェイスには、ミキサー機能やファンタム電源機能などが搭載されている場合があります。ミキサー機能は、複数の音声を混合して出力する機能です。ファンタム電源機能は、コンデンサーマイクに電力を供給する機能です。自分が必要とする機能が備わっているか確認しましょう。
  • 付属のソフト
    オーディオインターフェイスには、DAWやプラグインソフトが付属している場合があります。DAWを持っていない場合や新しく試したい場合は、付属しているソフトもチェックしてみましょう。

スピーカーとヘッドホン

すでにヘッドホンやスピーカーは持っているという人もいると思いますが、DTMでクオリティの高い曲を作るためには、モニタースピーカーやモニターヘッドホンと呼ばれるタイプを使用しましょう。

価格帯は様々ですが、モニター〇〇とつく音楽制作用の機器は、できるだけ味付けのないフラットな音質で再生されるという特徴があります。
スピーカーやヘッドホンにはそれぞれ癖があり、ある環境でちょうどいい聞こえ方でも、違う環境で聞くと違った聞こえ方になってしまうことは避けられません。そのため、制作する環境では味付けのない音質で制作することで、その違いを小さくすることができるのです。
また、耳から離れているスピーカーと耳に近いヘッドホンでは聞こえ方が異なるので、できれば両方揃えて、どちらでも違和感のないようにチェックするとよりよい仕上がりになります。

マイク

歌やアコースティック楽器を録音するためにはマイクが必要です。
マイクを選ぶ際には、自分の用途に合ったものを見つけることが重要です。
マイクは構造によって「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の2つに分けられます。
ダイナミックマイクは耐久性やハウリング耐性に優れており、カラオケや講演会などでよく使われます。
コンデンサーマイクは感度が高く、繊細な音やクリアな音を録音しやすいです。歌録りやナレーションなどでよく使われます。

ダイナミックマイクとコンデンサーマイクのどちらが良いかは、一概には言えません。それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、用途や目的に応じて選ぶことが大切です。以下に、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの主な違いをまとめてみました。

ダイナミックマイク
  • 電源が不要
  • 丈夫で耐久性が高い。ハウリングや雑音に強く、大きな音圧にも対応できる。
  • 感度が低く、高音域の再現性がコンデンサーマイクには劣る。
  • 比較的安価
コンデンサーマイク
  • ファンタム電源が必要(オーディオインターフェースには搭載されているものが多い)
  • 振動や湿度に弱い。落としたら一発で壊れてしまう場合も。保管方法も配慮が必要。
  • 感度が高く、繊細な音や高音域をクリアに録音できる。

以上のように、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクはそれぞれ長所と短所を持っています。自分の目的に合ったマイクを選ぶことで、より良い音質やパフォーマンスを得ることができます。

MIDIキーボード

MIDIキーボードとは、ピアノと同じ鍵盤の並びで、パソコンやタブレット、スマートフォンなどに接続して、音楽制作をするための機器です。MIDIとは、演奏情報をデジタル信号としてやり取りする規格です。
MIDIキーボードは、この規格に従って演奏情報を送信するコントローラーとして機能します。
入力専門の機器なので、ほとんどの機種はそれ単体で音を出すことはできません。

楽器が上手に弾けなくても、打ち込みにはとても便利なので、ぜひ用意しておきたい機器のひとつです。

MIDIキーボードを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。

  • 鍵盤数:鍵盤数が多いほど音域の広いフレーズを演奏できますが、サイズや価格も大きくなります。自分の目的や予算に合わせて選びましょう。
  • 鍵盤タイプ:鍵盤にはフルサイズとミニサイズがあります。フルサイズはピアノと同じ鍵盤サイズで演奏性が高いですが、ミニサイズはコンパクトで持ち運びやすいです。
  • 鍵盤タッチ:鍵盤を押し込んだ際の重さ(タッチ)にはライトタッチ、セミウェイト、ピアノタッチ(ハンマーアクション)があります。ライトタッチは軽くて手軽に演奏できますが、ピアノタッチは重くて繊細な表現ができます。
  • コントロール部:鍵盤以外にもフェーダーやノブ、パッドなどの操作子が付いているものもあります。これらはDAWソフトや音源と連動させてリアルタイムに音量や音色などを変えることができます。
  • 端子部:USB端子以外にもMIDI端子やフットスイッチ端子などが付いているものもあります。これらは他の機材と接続して拡張性を高めることができます。

これらすべてを一気に揃えるのは難しいかもしれませんが、音楽制作には表現したい気持ちが何よりも重要ですので、最低限、スマホだけでも(iPhoneならGarage Bandも無料で使えます)始めることは可能です。必要になったものから揃えていけばいいと思います。

楽曲を作るには?楽曲制作上達のコツ

曲の作り方といっても様々ですので、単に検索してもどうしたらいいかわからなくなってしまう場合が多いです。

例えば料理で言えば、「料理名」と「レシピ」というキーワードを組み合わせて検索することで作り方が出てくるように、曲も作りたいジャンルの曲と制作する方法を調べることが近道と言えるでしょう。
日本語で検索する場合は、キーワードをスペースで区切るのが一般的です。

楽曲制作方法を調べる

まずは作りたい曲のお手本となるジャンルの名前を調べます。ジャンルとは、音楽スタイルのことで、使われているリズムや楽器(音色)、歌詞の内容、発表されたシチュエーションなどで分類されます。ジャンルが分からなければ、「曲名」と「ジャンル」というキーワードで調べてみましょう。

ジャンルがわかったら、今度は、「ジャンル名」「使用するDAW名」「制作」または「作曲方法」などのキーワードを組み合わせて検索してみましょう。

例:EDM cubase 作曲方法

ポイントは使用するDAWを明記することです。細かな作曲方法よりも操作を解説してくれる記事や動画を参考にすると良いでしょう。

覚えておきたいこと

DTM上達のために、知識として知っておきたいこともあります。
曲の質を高めることで、より多くの人に聞いてもらえるようになります。
特に以下の2つはいまや必須ともいえる内容ですので、初心者向けの記事から読んでいくとよいでしょう。ただし、ネット上の情報は誤った内容も少ないないため、複数の記事を比較することも大切です。

  • コード理論、コード進行
  • ミキシング

コード理論とは、音楽の主要構成要素である「和音」について体系化された音楽理論です。コード理論を学ぶことで、以下のようなメリットがあります。

  • 自然で美しいコード進行を迷わずに作れるようになります。コード理論は、先人たちが見つけた「美しい音楽の法則」を教えてくれます。その法則に従ってコードを組み合わせることで、作曲やアレンジの幅が広がります。
  • さまざまなジャンルやスタイルの音楽を試せるようになります。コード理論は、ポピュラー音楽からジャズやクラシックまで、あらゆる和音の用法を解説してくれます。自分の好きな音楽に合わせて、適切な和音を選ぶことができます。
  • 他の音楽理論の習得が容易になります。コード理論は、音楽の基礎ともいえる理論です。コード理論を理解しておけば、和声学やスケール、モードなど、他の音楽理論もスムーズに学べます。
  • 楽器の演奏にも役立ちます。コード理論を知っておけば、ピアノやギターなどの伴奏やアドリブが上達します。コード譜を見て、素早く演奏することができます。
  • ミュージシャン同士の意思疎通が容易になります。コード理論は、ミュージシャンの共通言語です。コードネームや機能記号などを使って、曲の構造やアレンジのアイデアを伝えることができます。

ミキシングとは、録音したり打ち込んだりして作成した複数の音源を調整して一つの曲に仕上げる作業です。ミキシングを学ぶことで、以下のようなメリットがあります。

  • 曲のクオリティを向上させることができます。ミキシングでは、各音源の音量や定位、エフェクトなどを調整して、曲全体のバランスや雰囲気を整えます。これによって、曲がより聴きやすく、魅力的になります。
  • 曲の表現力を高めることができます。ミキシングでは、音源の種類や音色、音作りなどを自由に選ぶことができます。これによって、自分の思い描くイメージや感情を音楽に反映させることができます。

DTMのレッスンを受ける

ネット上の記事や動画、書籍だけでも現代では充分に上達は可能ですが、もっと確実に、もっと早く上達したいという場合には、音楽教室やDTMスクールでレッスンを受けることを検討してみましょう。
費用はそれなりにかかりますが、数年単位でかかる時間を、使い方次第で大幅に短縮することができます。

DTMのレッスンを受けるメリットは以下のようなものがあります。

  • DTMの基本的な知識や技術を習得できます。DTMには、専門的な用語や機材が多くあります。これらを自分で独学するのは大変ですが、レッスンでは、経験豊富な講師からわかりやすく教えてもらえます。また、DAWの操作方法なども必要なことから教えてもらえます。
  • DTMの応用的な知識や技術を習得できます。DTMでは、作曲やアレンジ、ミックスやマスタリングなど、さまざまな音楽制作の工程があります。これらを自分で試行錯誤するのは時間や労力がかかりますが、レッスンでは、講師から効率的な方法やコツを教えてもらえます。また、自分の作品に対してフィードバックやアドバイスをもらうことで、改善点や課題も明確になります。
  • DTMの創造性や表現力を高めることができます。DTMでは、無限に近い音楽の可能性が広がっています。しかし、それだけに選択肢が多くて迷ってしまうこともあります。音楽理論や音楽ジャンル、音楽制作のコンセプトなどを学ぶことで、自分の音楽のイメージや方向性を明確にすることができます。また、講師の作品から刺激やインスピレーションを受けることで、自分の音楽の幅や深さを広げることができます。

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